職場の問題地図
「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方
沢渡あまね 著
「問題」ってどんなことを言うの?
職業柄、各お客様のところへ行き、
「実際に現場で起こっている問題を挙げてください」
なんて言うのですが、実は、これは間違った手法なのかもしれません。
なぜなら、一番怖いのは『問題だと気が付いていないこと』だからです。
この本では「手戻り」と表現されていますが、これも現場で起きている問題なのです。
この本の特徴
この本は、職場の”現場”で起こっている生の問題に焦点を当てながら、業務改善のヒントを教えてくれます。
上司・部下の意識のズレをそれぞれの立場を踏まえて原因を明らかにしたり、業務プロセスの定義が如何に重要であるかが分かるように書かれていたり、属人化の解決のヒントを教えてくれたり、私も含めて、現場で似たような体験をしている人は数多くいると思います。現場をきちんと理解している人が言っているなぁということがすごくよくわかります。
加えて、図や文字の大きさ、言葉の表現等、非常にわかりやすく、読みやすく書かれているので、「読書はあまり趣味ではないけど職場改善で悩んでいる」なんて人にはまさにピッタリですし、管理職や経営者なんかも短時間で読めてなおかつ職場の問題解決に関するヒントをたくさん得られるので、かなりおススメな一冊です。
私の感想
私はこれまで、大企業に10年、小規模ベンチャーに3年いながら各企業の現場のコンサルティングをしてきましたが、私自身が体験してきた問題と、お客様が抱える問題がギュッとこの一冊に詰まっている感じがしました。
「あ~そうそう!」
「これ、よくある!」
などの共感がものすごくあり、読むことに対する抵抗が全くありませんでした。
日頃のコンサルティングにおいても、業務プロセスの定義や脱・属人化は大きなテーマとして取り組んできましたが、私の考え方を体系立てて整理されて表現されているので、ものすごく勉強になりました。
何かしら、「生産性が何となく悪くて向上させないといけないんだよなぁ」って思ってる人がいれば、この本を強烈にお勧めします!必ず共感できる問題がありますし、その問題を解決するヒントを与えてくれるはずです。
その他にも、沢渡先生の「問題地図シリーズ」がありますので、自分の職場や悩みに応じて読んでみると、きっと同じように問題に対する共感と解決のヒントを得られると思います。(参考記事>>システムの問題地図 「で、どこから変える?」使えないITに振り回される悲しい景色 沢渡あまね)
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