はじめに
別の記事でも取り上げている通り、中小企業診断士の二次試験は模範解答がないため、得点を知ることはできても何が得点されていて、何が減点されているのかが分かりません。
従って、合格率約20%の二次試験に合格しなかった約80%の人は、なぜ合格しなかったのかが分からない、非常に厄介な特性を持っています。
今回は、私が受験勉強をしてきて気が付いた、合格する答案を書けない失敗パターンを見つけましたので、その失敗パターンについて紹介していきます。
意外と気づけない3つの失敗パターン
上記で触れましたが、失敗にはパターンがあります。しかし、そのパターンは意外と本人には気が付かないことが多いのです。それではそのパターンについて一つずつ紹介していきましょう。
パターン①~目の付け所が合ってない~
この失敗パターンは、比較的本人が気が付きやすいパターンです。「ふぞろいシリーズ」なんかを見ていると、
「あぁ~、その視点なかったわぁ。。」
なんてことは良くあるからです。
もう少し深くいってみましょう。
この“目の付け所”というのは実は3つに分かれます。
- 解答の視点に関する目の付け所
- 与件文に書かれていることに対する目の付け所
- 問題で聞いていることに対する目の付け所
です。
大切なのは、この順番です。致命的度で言えば、3>>2>1くらいの順位付けになるでしょうか。
つまり、『聞かれていることに答える』ことが最も重要であって、解答の視点や与件文中の目の付け所が多少違っても、採点に対する影響は小さいと考えています。
与件に書かれていないことを想像で書くことはダメですけどね(笑)
とにもかくにも、問題文を冷静に正しく読む!ということが重要であることは覚えておいたほうが良いでしょう。
パターン②~書いてないことを書く~
さて、上記でも触れましたが、与件文に書いてないことを書くことは絶対にNGです。
「そんなの当たり前だろ!」
という声が聞かれそうですが、意外とやりがちなんです。
特に、各事例の業務に精通した人の場合は要注意です。
例えば、私は製造業の開発や生産技術者でした。つまり、事例Ⅲにおいてはなじみがあり、実務としての現場経験もあるため、自分では当たり前だと思っていることで与件文に書いていないことを、勝手に想像で書きがちでした。
「あぁ、作業効率が悪いってことはおそらく動線の設計や作業の属人化があって、従業員同士のコミュニケーションがいまいちだったりするから、対策はレイアウト見直しとマニュアル化とミーティングだ!」
と、いう感じで、与件文の行間を勝手に読んで解答してしまうことは、試験本番の限られた時間で解答が求められる緊張した場面で、ついついやりがちなのです。
同様に、営業が本職の人は、事例Ⅱにおいて想像で突発的アイデア的な解答になってしまうパターンも良くあると聞きます。
「もっと売上上げるには、商品の単価向上のための商品に対する付加価値を付けた開発が不可欠だ!」
って、与件には商品に対する課題なんて全く書いてないのに、与件を捏造してしまうんです。
勉強しているときにはある程度冷静に考えられるのですが、試験の本番ではついついやりがちなことに注意してくださいね!
パターン③~文章が分かりにくい~
さぁ!これが最も本人が気が付きにくい失敗パターンです。
なぜなら、本人は“分かって書いているつもり”だからです。
本人はちゃんと書いたつもりでも、読み手にとっては必ずしもそうではない、ってことは、社会人の方であればこれまでにも経験してきていることかと思います。
本番の限られた時間に、文字数を合わせながら要点をまとめて書く、という作業が与えられたとき、ダーッと書いてしまってから後で読み返してみると、自分が考えたことだから読めば分かりますが、他人からすると、よ~く読まないと分からない文章に仕上がります。
【他人にとって、よ~く読まないと分からない文章】
という点がポイントです。
たまに社内のメールでも、文章が良くわからずに質問をすると、
「よく読んでから質問しろ!」
という人がいますね。(少なくとも私の周りにはいました(笑))
これが採点者に通用すると思いますか?あるいは、現実の世界において、中小企業診断士からコンサルティングの報告を受けるお客様に対して、
「行間やニュアンスも含めてよ~く読んでください。」
なんて言っていたら、
「お前何様だ?」
「コンサルティングってそういうことをクリアにしてくれるんじゃないのか?」
という激しいツッコミが返ってきそうです。
私は、受験に失敗する原因のうち、約7割はこの理由が占めていると考えています。
【他人にも分かりやすく書く】
意識してみてください!
おわりに
さて、今回は、中小企業診断士の二次試験における失敗するパターンを紹介してきました。
こういった失敗パターンを踏まえて、どのように勉強するべきなのか、どのように解答を作成するべきなのか、具体的な勉強方法については、また別の記事でまとめていきたいと思います。
乞うご期待!
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