財務・会計は、多くの中小企業診断士挑戦者が最初にぶつかるであろうカベになる科目です。一部の公認会計士資格保有者や税理士資格保有者、あるいは仕事上で経理などに携わってきて簿記検定2級やビジネス会計検定などに合格している方はいらっしゃいますが、それ以外の人たちにとっては、とてつもなく大きなカベに感じられることでしょう。
この科目の特徴と、勉強法について私の体験をもとに紹介していきます。
中小企業診断士試験における財務・会計の特徴
特徴①:広いようで深く、深いようで広い
会計=アカウンティング、財務=ファイナンスの両方が範囲になるので、思っている以上に知識の範囲は広いです。基礎は会計の仕訳から始まり、財務指標や資本コスト等まで、いろいろな要素をゼロから覚えていくのは、
「自分が今からこれ分かるようになるのか?」
と、非常に大きな不安が伴いました。
何しろ、過去問を眺めてみても、一つもわからずチンプンカンプンだったのですから当然です。
企業経営理論であれば、これまでの人生での観念的な部分で分かる記述もありましたが、財務・会計には一つもありませんでした。
ところが(自分に負けそうになりながら)勉強を進めていくと、基礎的な考え方や公式的な部分を押さえていけば、そこそこ対応できるのではないか、という転換点がありました。実は、広いようで思ったほど広くはなく、基礎的な知識のポイントはいくつかに集約されるのです。
特徴②:二次試験に直結
中小企業診断士は、その名の通り、企業を診断しますので、財務分析が必須です。二次試験の事例Ⅳでは、財務分析からCF計算や投資判断など、思いっきり財務・会計の科目があります。
財務を制する者は中小企業診断士試験を制す
という言葉もどこかで見た気がしますが、それほど重要な科目なのです。
私が実践した勉強法
ポイント①:基礎からしっかりと
算数に例えると、足し算ができないのに割り算はできない、という感覚です。
まずは、仕訳がどんなものなのかを知るために日商簿記検定3級の勉強をしてみても良いと思います。ちなみに私はやりました。簿記3級は人気の資格試験なので、たくさんの参考書や問題集がありますが、私が実際に使った中で、
[日商簿記3級みんなが欲しかった!やさしすぎる解き方の本]
著:滝澤ななみ
をお勧めします。検定を受験するとなると問題集が必要かもしれませんが、中小企業診断士試験が目標となると、これ1冊で良いと思います。
日商簿記3級の勉強をすると、費用の仕訳から決算書の作成、B/S, P/L作成までの流れが分かりますので、会計の世界がどんな感じなのかを垣間見ることができます。
あとは、通勤講座の講義と学習マップ作成です。この際、学習マップ作成はあまり気合いを入れて作らなくても良いでしょう。企業経営理論と違って、細かい部分の暗記は必ずしも重要ではないからです。概要が理解できる程度に止めて、次のステップに進みましょう。
ポイント②:手を動かす
この科目は特に、「見た」「聞いた」だけでは通用しません。自分で実際に電卓を使ったり手書きだったり、きちんと計算をしてみる。公式だけ覚えようとしてもダメです。その計算も手書きで計算過程を書きながらやってみるということが必要です。
手を動かしながら過去問をこなしていると、3周目くらいにはほぼ100点が取れるようになってくると思います。なぜなら、問われているポイントが意外と限られていることに気が付くからです。これは、問題文や解説だけを読んでいては気が付かないかもしれません。
実際にやってみる
これが最も効果的です。
ポイント③:高得点を狙う
理由その1:二次試験に直結する
理由その2:使う知識の幅は広くない
80点目標で臨みましょう。1問4点なので、5問くらいは知らないことが出題されたり間違えたりする。そのくらいはあきらめても良いですが、この科目を得意に変えることは他の科目での気負いも少なくできますし、二次試験でも必要な知識ですので、思い切って高得点を狙いましょう。
ポイント②でも触れたように、問われること自体はそれほど多くありません。それらが、手を変え品を変え組み合わせられて出題されるだけなので、基礎をしっかり押さえていれば十分に高得点を狙えると思います。
ちなみに、私は70点以上を目標にしていましたが、本番はまさかの44点でした。私があまり重要視していなかったポイントが1つだけでなく3つも4つも出題され、それらの問題は全て外しました(勘も外れた!)。財務・会計は初日の2科目目なので、この時点で
「かなりヤバい!」
というものすごい焦りに襲われました。まぁ独学のリスクみたいなものです。
詳細はまた今度紹介します。
さいごに
主に財務・会計に触れたことがない苦手な人向けに、この科目の特徴と勉強法を紹介してきました。本番でコケた私のアドバイスは役に立たないかもしれませんが、参考にしてみてください。傾向が変われば対応できませんが、それでも不合格にはならない程度の得点はできるものと信じています。
次は、科目3:運営管理について紹介します。
※まとめ記事をご覧になりたい方はこちら
乞うご期待!
尚、中小企業診断士のゆみさんが運営する「中小企業診断士の独学合格」は、通勤講座以外の勉強法も含めて、それぞれの勉強法のメリット/デメリットが見やすくまとめられています。他の勉強方法もご参考になりたい方はこちらも参考にされてください。
コメント
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