3つ 中小企業診断士

はじめに

中小企業診断士の二次試験は、解答例や採点基準が公表されない記述試験です。

なので、過去問を振り返ろうが、どのように勉強して良いのかつかみどころのない試験です。

二次試験に挑戦した人の中には、

「本当に試験なのか?」

と思い諦めてしまう人もいたりします。

ところが、私が受験や受験勉強を通して思うのは、やっぱりちゃんとした試験であると同時に、それなりの対策があるということを感じました。

今回は、そんな中小企業診断士の二次試験の勉強法について紹介していきます。




勉強法のポイント

勉強法に対する考え方は、【採点基準のある試験である】と言う根底に基づいています。

この考え方については別の記事(下記リンク)でまとめていますので、そちらも合わせてご覧ください。

 

中小企業診断士二次試験の正体と本質

 

それでは、勉強法の3つのポイントについて、一つずつ触れていきます。

勉強法ポイント①~キーワードを用意しておく~

キーワード

中小企業診断士二次試験の3つの失敗パターン

の記事でも紹介している通り、

【分かりやすく書く】

というのは、中小企業診断士の二次試験においては、かなり大きなウエイトを占めると考えています。これは本人が気が付きにくい盲点でもあります。

ということは、対策としては【分かりやすいための言葉使い】が重要であると考えます。ましてや100字前後の文字数制限もあり、解答したいことを簡潔に表現した“言葉”が必要なんです。

この“分かりやすい言葉”のことを【キーワード】と呼ぶことにします。

さて、そのキーワードを、試験の本番でどのように上手に使いこなしていくべきなのか、ということを考えてみましょう。

その答えはただ一つ。

【予めキーワードを用意しておく】

ということです。

二次試験の勉強をしている人にはおなじみの『ふぞろいシリーズ』。私も挑戦初年度は活用していました。

この合格者の答案を見ると、

「こんな言葉良く思いつくなぁ。」
「こんな提案、自分には全く思いつかない。。」

というような感覚を覚えていました。

答えはカンタンです。

その言葉は、二次試験の本番の最中に思いついたのではなく、予め用意されていたものだったからです。

本番の時間制限もある緊張した中で、いきなりいい言葉や対策案を閃く力を鍛えようと思っても、それは不可能というものです。

まれにそんな天才がいたとしても、そんな天才しか合格しない試験なのであれば、それこそ諦めるしかありません。

凡人にできることは、分かりやすい言葉=キーワードを予め用意し、それを試験本番で書く、ということなのです。

その分かりやすい言葉はどこにあるか、それは、

・一次試験の基礎的な知識
・合格者の答案
・過去問の与件文や問題文

ここに集約されています。その根拠は、やはり【採点基準がある試験である】という考え方に基づいています。

なので、キーワードを覚えていく上では、上記の3つに使われている言葉をよ~く分析することが必要になります。

勉強法ポイント②~キーワードを“枠”で整理する~

表

勉強法ポイント①のキーワードの重要性には理解していただける方も多いと思いますので、その覚え方というか整理の仕方について紹介していきましょう。

いくら採点基準として使われているであろうキーワードを覚えても、どんな場面で使って良い言葉なのかを体系的に整理しておく必要があります。

別の記事でも触れましたが、【聞かれていることに答える】ことが重要な合格するための要素でもあるからです。

例えば、平成30年事例Ⅰ第一問。

研究開発企型企業であるA社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。その理由を、競争戦略の視点から100字以内で答えよ。

さて、ここで聞かれていることは何でしょうか?

それは、

①【理由】、②【競争戦略の視点】

です。

なので、解答としては、

「~~のため。」や「~~だから。」

という解答に仕上げなくてないけないことと、競争戦略的な“言葉”が入っていないといけないわけです。

ポイントに挙げた“枠”とは、この問題においては“競争戦略”のことであり、競争戦略的な“言葉”が“キーワード”ということになります。

ついでにキーワードに触れますと、競争戦略的な言葉=キーワードは、①コストリーダーシップ戦略、②差別化戦略、③集中戦略、のようなキーワードが入ることになります。一次試験の基礎知識ですね。

このように答えるわけです。

もう一ついきましょう。

同じく、平成30年事例Ⅰ第4問。

A社が、社員のチャレンジ精神や独創性を維持していくために、金銭的・物理的インセンティブの提供以外に、どのようなことに取り組むべきか。中小企業診断士として、100字以内で助言せよ。

この問題で聞いているのは、

【人事施策】

です。事例Ⅰは、組織(人事を含む)事例だからです。

加えて、【報酬制度以外】という縛りがあります。

人事施策の報酬制度以外と言えば、採用・配置や、評価制度、能力開発の“枠”があります。

その際のキーワードは、「適正配置」「目標管理制度」「研修制度」などのキーワードがあります。

と言うように、

『何のことを聞いているか』

が分かる“枠”が必要です。

※この点については、試験対策ノウハウとして非常に重要な部分になりますので、また別の記事で、各事例ごとに紹介していきます。

勉強法ポイント③~キーワードをアウトプットする練習をする~

書く

さて、キーワードを枠で整理しただけではおそらく試験は突破できません。

なぜなら、この二次試験は【アウトプットの試験】だからです。

限られた時間で、瞬時に枠を見極め、キーワードを引き出す訓練が必要です。

実は、これが試験勉強において一番難しいポイントでもあります。

その難しさは、アウトプットすることそのものが難しいと言うより、質の高い問題にたくさんチャレンジする必要があるからです。

過去問があるとはいえ、数はそれほど多くありませんし、5年前までは傾向含めて対策には有効かもしれませんが、それ以上前になると、出題の仕方や解答のさせ方、文字数制限などが別の傾向になっていることも多く、試験対策として必ずしも適切でないと思われるものが多くなったり、そのせいでモチベーションも保ちにくいです。

私は、その点も含めて、M社に通学することにしたのです。

また、各スクールが開催する模試を活用しても良いとは思います。

いずれにしても、そこそこの費用は掛かると思ったほうが良いですね。

稀に、ふぞろいシリーズだけの独学で合格される方もいらっしゃいますが、そのケースはあくまで稀なケースなので、合格する確率を上げたいのであれば、おススメできる方法ではありません。

おわりに

今回は、勉強法について触れてきました。もう少し言うと、勉強法に対する考え方、と言う感じかもしれませんね。

なお、ここで紹介していく勉強方法は、私が通った某M社の手法や考え方を私なりに解釈したものです。

この記事を読んだからと言って、M社に通ったと同じだけの効果を得られるものではありませんので、その点だけはご了承ください。

 

少し具体的な勉強法も紹介しましたが、

「そこんとこもう少し詳しく!」

という声があることも承知しています(笑)

1つの記事のボリュームの関係で、そのご要望に対しては、各事例ごとに別の記事で私が勉強してきた“枠”や“キーワード”も公開しながら紹介していきます。

乞うご期待!




コメント

タイトルとURLをコピーしました