仕事の問題地図
「で、どこから変える?」進捗しない、ムリ・ムダだらけの働き方
沢渡あまね 著
「問題」ってどういうこと?
「仕事上の問題点を挙げてください」
仕事柄、こういう質問をさせていただく機会が多くありますが、実はこの質問、個人的にはあまり良くないのでは、、、と思っていました。
なぜなら、
「問題って言われても、、、」
「例えばどういうことですか?」
という質問をよく受けるからです。
何が言いたいかというと、日常的に問題が起きていることが当たり前になっていると、それ自体を「問題」と認識することができないのです。
「それ、問題ですよ!」
と指摘してほしいというお客さまもいらっしゃいます。
半年くらい前でしょうか。とあるお客さまとの会話でこんなことがありました。
私「これから業務改善活動も進めていくとなると、一時的にはやることが多少なりとも増えるかもしれません。普段は皆さんどのくらい残業しているのですか?」
お客様「そうですねぇ、大体みんな月に80時間から100時間くらいでしょうか。」
私「それ多すぎです!」
私「業務改善活動もそうですけど、まずは、やること減らす策を優先的に進めましょう!」
お客様「え!?そうなんですか?」
お客様「大原さんとか、もっとやってるのかと思ってました!」
こういうお客様に対して、
「仕事上の問題点を挙げてください」
と言っても、
「残業が多い」
とは出てこないのです。
この本を読んでいると、まずは、そういった仕事上の問題に対して、
「こういうことは問題ですよ!」
という事例を挙げているので、強く共感ができます。
「あぁ!そうそう!」
「これ!ある!」
という共感から入れるので、読み進めやすいです。
じゃあどうしたらいいの?
実際に起きている問題に対して、どのようなアプローチで改善を進めていったら良いのか、この本はたくさんのヒントをくれること間違いなしです!
具体的な方法論まで触れているもの多いです。
普段の業務に対して、
「この本に書かれていることを実際にひとつづつ行っていくだけでもいいんじゃないかなぁ」
と思えるほど的確で具体的に書かれているので、ぜひ実践してみたらいいと思います。
ちなみに、私はこの本に書かれていることを、さも自分の理論のようにお客様に教えます(笑)
最後にネタばらしはしますが(笑)
私がこの本をおススメしたい方
この本に書かれている内容は、あらゆる業務に対して応用・適用することができるとは思いますが、その中でも、私は特に、ものづくりの間接業務の方におススメしたいです。
私自身も製品開発・品質管理の間接業務を担当していた期間が長かったのですが、製造部門等の直接部門では原価意識や仕事のマニュアル化など、比較的進めようという動きがとりやすく、ロスコストや不良率あるいは稼働率などの指標で現場を測定する手法もある程度は確立されてきています。
ところが、間接部門に目を向けると、ぜ~んぜんそういった改善意識が欠如してしまっているのが現実だと思います。
間接部門は直接部門の生産性を如何に高めるかのいわば「潤滑油」。そうであるにも関わらず、その潤滑油がドロドロでは、狙った生産性向上の効果も見込めません。
また、この本で取り上げらえている事例が、主にオフィスを舞台にしていることもあり、具体的なイメージがしやすく、取り組みが進めやすいのかなと思います。
ぜひ、ご一読いただき、ここに書かれていることを実践してみてください!
間違いなく効果があるはずだと、私自身は確信しています!
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