試験 中小企業診断士

はじめに

中小企業診断士の二次試験は、日本の国家試験の中で唯一「解答例がない」記述試験です。そのため、掴みどころがない、勉強方法が分からない、など、雲をつかむような試験を前に挫折してしまう人も多いです。

そんな二次試験を、私は2回受験しました。

1回目は無残に散り、2回目は、、、。

もともとは雲をつかむような試験だと感じていましたが、2回の受験期間を経て気が付いた、中小企業診断士二次試験の本質について紹介していきたいと思います。




二次試験の本質

本質

まず最初に、これだけは否定しておきます。

【コンサルティング技術を問う試験】
【与件文を読み、如何に的確で効果を生むアドバイスができるかを問う試験】

多くの人がこういった勘違いをしてしまいますが、これは明確に違います。

それは、“採点される”という事実にあります。採点されるということは、“客観的判断基準がある”と言い換えても良いでしょう。“客観的判断基準がある”ということは、作問者の“アイデア的な発想やオリジナル性ではない”ということです。

もしそうなら、作問者に合わせた採点なんてできませんよね?

ということで、いよいよ試験の本質に迫っていきます。

本質①~基礎知識のアウトプットを問う試験~

書く

一次試験との大きな違いは、「記述する」と言う点にあります。

言われなくても分かる!なんて声も聞かれそうですが、この「記述する」ということは、「知識をアウトプットする」ということだと捉えています。

例えば、一次試験の場合は、選択肢が4~5つ紙面上に書かれていて、その中でどれが正しいか or 誤っているかを見抜ければ良かった、つまり正解が紙面上に書かれていたのに対し、二次試験はそうではなく、紙面上にはヒントが散りばめられてはいるものの、正解自体は自らの頭の中の知識から引っ張り出してきて記述しなければなりません。

先述の採点基準のところでも触れましたが、採点される試験である以上は、採点の基準となる“体系的な知識データベースがある”ということです。それが何かと言えば、一次試験で学んできた基礎的な知識であると考えるべきですね。

つまり、必要とされる“知識”は一次試験も二次試験も同じであって、一次試験はその“確認(チェック)”であり、二次試験は少し実践的に“より遠いヒントでも知識に結び付けられるか”を試す試験と言うことができます。

それを記述させるという意味では、二次試験の本質は、「知識のアウトプットにある」と言っても良いと考えています。

本質②~きちんと説明できるかを問う試験~

ワークフロー

本質①でも触れましたが、基本的には知識のアウトプットを問う試験ではありますが、記述する以上は、単語だけ並べても意味不明です。根拠に基づく記述や、理路整然とした記述をする必要があります。

繰り返しますが、二次試験は文章を記述する試験です。単語や用語を記述する試験ではありません。ここは重要なポイントです。

例えば、改善策を問うような問題の場合、

「〇〇という問題に対して、△△を実施して××する」

のような読んだだけで分かる記述をする必要が出てきます。いきなり単語だけ書いてあっても、読み手にとっては「なんで?」となります。

つまり、“ちゃんと根拠に基づいて分かりやすく説明できるか”を問う試験ということが言えます。

その根拠は何かと言えば、与件文に散りばめられたヒントですね。

本質③~8割を落とすための試験~

選ぶ

さて、これは恐ろしい真実です。

合格点に達した人、全員を合格させるのではなく、合格人数、つまり国として、中小企業診断士として登録できる人数がおおよそ決まっていて、その人を相対的に選抜する試験なのです。

登録される中小企業診断士の質を高めるためのフィルターと言っても良いでしょう。

このフィルターを通過する人材の質を確保するため、一次試験で第一次フィルターにかけてある程度の“パイ”を確保しておき、二次試験で良い人材を選抜する。統計的には、それが5人に1人を選べればそれなりに優れた人材を選べる、と言うことなのでしょう。

二次試験の受験者は、一次試験を通過していますので、基本的な知識量としてはみんなが持っています。つまり、知識量や能力と言う点では、それほど大きな差がないのです。

そんな大きな差がない人の中から、5人に1人はどうやって選ばれるかを考えてみてください。

判断基準は記述式で書かれた解答用紙のみです。

私だったらこうします。

・文字制限に対して適切に書かれているか
・聞かれたことに答えているか(質問に対する答えになっているか)
・答えてほしいこと(単語やキーワード)が書いてあるか
・読みやすいか(論調のテンポが良いか)

これらをまとめると、

●基本的な知識の内容は書かれているか
●きちんと説明できているか

ということになりますね?

中小企業診断士の二次試験は、こんな基準によって5人に1人を選抜していると考えられるのです。

おわりに

さて、今回は、中小企業診断士二次試験の本質に迫りました。この本質を知ることは、勉強方法を考える上でも非常に重要なことです。本質を知ることで、雲を掴むような勉強方法ではなく、アイデアや発想を鍛える勉強でもなく、正しい勉強方法で臨むことができます。

今回は、あくまで“試験対策”的な内容といたしました。現実のコンサルティングがどうであろうと、まず試験を突破しなければ意味がないですからね(笑)

下記の記事では、二次試験と現実のコンサルティングを対比させた内容になっていますので、気になる方はクリックしてみてください。

中小企業診断士二次試験の大いなる勘違い~現実との比較~

上記を踏まえて、次回は勉強法に迫ります。

乞うご期待!




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