はじめに
つかみどころがないと言われる、中小企業診断士の二次試験。私のこれまでの受験経験やコンサルティングを商売としてきた経験から、二次試験の解答を作成するプロセスについて気が付いたことがありました。
「真正面から挑んではダメなんだ!」
「それでも現実と同じだ!」
という発見がありましたので、今回は、中小企業診断士二次試験の解答を導くプロセスについて紹介していきます。
こんな解答プロセスは間違っている!
私は当初、こう考えていました。
二次試験の解答プロセスにおいては、与件文を読み、設問を読み、与件を踏まえて設問に合わせて解答する。
それは現実のコンサルティングプロセスも同じで、お客様の状況を調査し、お話を聞き、現状を把握した上でお客さまに対してアドバイスする。
二次試験の解答プロセスと照らし合わせると、
①状況を把握する(与件文を読む)
②相談・質問される(問題を読む)
③社長の思いを踏まえながら知識を活用する(どう答えるか考える)
④答える(制限文字数で解答を作成する)
もしかしたらこれをお読みになっている方や、一部のコンサルタントの方もそう思っているかも知れませんね。
実はこれ、大いに違います!
もしこう考えている方がいたら、まずはこの既成概念をブチ壊してください。既成概念をぶち壊すことは大変ではありますが、できるかできないかではなく、やるんです!やらなければ、合格の可能性が上がることはないでしょう。
さて、それではどのように考えるべきなのか、核心について触れていきます。
これが正しい解答プロセスだ!
コンサルティングの世界ではよく言われる【仮説・検証】思考。それこそが、中小企業診断士二次試験の解答プロセスのヒントです。というか正解です(笑)
まず現実のコンサルティングはどんなプロセスなのかを書くと、
・企業の規模や業界などを軽く調べる(概要把握)
・生じている問題点や対応策を想定する(仮説を立てる)
・現場観察やヒヤリングで状況を知る(検証する)
・新たな仮説を立てる
・再度、調査や現場の視察やヒヤリングで検証する
・まとめて報告する
まぁコンサルティング手法などは、人それぞれで多少の違いはあるかも知れませんが、大枠はこのようになっていると思って良いでしょう。
それでは、これを二次試験の解答のプロセスに変換します。
・相手の状況を軽く知る(第一段落と最終段落を流し読み)
・相談される(問題を読む)
・仮説を立てる(使えそうな知識をイメージする)
・状況を確認・検証する(与件文を読む)
・どう答えるか考える(どの知識をどう使うかを考える)
・答える(制限文字数で解答を作成する)
現実のコンサルティングプロセスと少し違うようにも見えますが、実はこれ、同じです。これを同じだと思えなければ、合格の可能性は低いと思ってください。
違った見方では、
「中小企業診断士の二次試験は国語の問題に似ている」
という言われ方もします。
確かに、私もそう考えたことはありました。特に事例Ⅰ。ところが、国語の問題と捉えても良いことはありません。なぜなら、私自身、中学のころから国語が苦手だったので国語の問題と言われても解き方は良く分からないからです(笑)
話を戻しますが、この解答プロセスの中で最も重要なのは、
『仮説を立てる(使えそうな知識をイメージする)』
部分です。
例えば事例Ⅰで言えば、答えるべきポイントは、
・環境分析(SWOT)
・事業展開
・組織
・人事
です。
設問を読んで、
「あぁ、第一問は環境分析の問題だな。第二問は事業展開の問題だな。第三問は組織・人事の両方に対しての問題点かな。第四問は組織の対策かな。第五問は人事の方策かな」
みたいな感じで、各設問に対して割り当てを行っていくんです。
私が二次試験に挑戦した一回目では、これが全くできずに、というかこの概念を知らずに、一問一問にそれぞれ真正面から向き合って解答しようとしていました。
結果、解答内容は的を射ない、他の設問の解答要素が重複する、などのあたふたが良くありました。
もう一度繰り返しますが、解答プロセスのコツは、
【仮説・検証】
であり、その具体的なやり方は、
【設問をきちんと読んで、答えの割り当てをする】
ということを肝に銘じてください。
おわりに
中小企業診断士の二次試験は、何の試験なのかが分からないような試験でもあり、“試験対策”としては非常にやりにくいものです。
今回は、試験対策の概念から外れ、現実的なコンサルティングとの対比で二次試験の解答プロセスをせつめいしました。試験と現実のギャップに苦しみ、試験の意味を感じられなくなって挫折してしまう人もいますからね(笑)
また別の記事で、“試験対策”に焦点を当てた内容も紹介しています。
気になる方は下記のリンクをクリックしてみてください。
乞うご期待!
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