ISO9001の活用っていうと、
「めんどう」
「よくわからない」
「どうしていいのやら、、、」
といったような声が良く聞かれます。
いろいろな考え方はあるとは思いますが、私自身は、【内部監査の運用が大きなカギを握る】と思っています。
その理由は、
・自らの悪さ加減を発見できる
・有効な対策の立案を促す
・対策の効果を検証して次のアクションにつなげる
というプロセスを回す “ドライビングフォース” となるからです。
ISO9001の本質は、【継続的改善】にあります。
これを行っていくためにも、内部監査を有効に行わない手はないのです!
ということで、今回は、内部監査を有効に行うための6つのステップを紹介していきます。
既に実施していること、やっていなかったことも含めて、良いと思ったところはどんどんパクっちゃってください(笑)
下記の関連ページと合わせてご覧ください。
>>分かりやすい簡単なISO9001活用術~分かりにくさと3つの運用ポイント~
内部監査のやり方6つのStep
Step-1 入念な監査事前準備~内部監査計画の一番のコツ~
料理を提供するお店は、事前にお皿やナイフやフォーク、グラスなどを並べておくなどの準備をしますよね?
何事も準備が大事!
これは、内部監査も例外ではありません。
そこで、準備のポイントを4つ紹介します。
ポイント①:MHK
この言葉は一般的ではありません。造語です(笑)
M:目的
H:範囲
K:基準
の略です。
どこかから拾ってきたようなフォーマットなどでも、このくらいのことは書くことになっていると思いますが、毎回コピペしていたのでは意味がありません。
その都度、何のために、どのプロセスを対象として、何を判断基準として監査するのかをディスカッションしてください。
ポイント②:質問事項の検討
監査の場でいきなり聞くことを考えるなんて、野球で言えば素振りもしたことないのにバッターボックスにいきなり立ってボールをバットに当てようとするくらい無謀なことです。
直近で起きた問題や前回の指摘事項なんかも踏まえて、どんなことを質問するのかを予め考えておきましょう。
ポイント③:計画書はきちんと作る
形骸化しがちなことなんですが、計画書をきちんと作ることは大切です。次のStep-2でも出てきますが、被監査側に正しく伝える必要があるからです。
おろそかにせずにきちんと作りましょう。
ポイント④:全部やろうとしない
例えば、対象の被監査部門も複数の業務プロセスを持つはずです。監査対象を「部門」とみるのではなく、「プロセス」と見ることで、監査範囲を明確に絞っていきます。
【対象の業務プロセスを決める】
それができないと、結局品質マニュアルの全範囲が対象となってしまい、非常に密度の薄い監査になってしまうでしょう。
Step-2 監査計画の通知~抜けがちだけど重要~
監査の質を高めることももちろんですが、時間的にも効率的な監査を行うために、監査側が立てた計画(MHK含む)については予め被監査側に通知しておきます。
そうすることによって、被監査側は事前に資料を準備することができ、監査時間内に資料を探しに行くことや質問に対する回答にしどろもどろ、といった時間を減らします。
お店でも、看板やら主力メニューを表に出して、
「ウチはこんなお店ですよ!」
「今日のオススメはこれですよ!」
と出しておくじゃないですか(笑)それと同じことです。
もしかしたら、
「あらかじめ通知したら、事前に対策打たれて客観的な監査ができないんじゃないの?」
という意見もあるかも知れませんが、それは違います。
具体的な質問事項や観察することなどを具体的に伝えるわけではありません。
せいぜい、対象となる業務プロセスくらいです。
むしろ、業務プロセスを明確にしてあげることで、プロセス自体に注目させ、振り返る時間を作ってもらった方が良いと考えています。
Step-3 被監査準備~事前に準備はしっかりと~
このステップは、被監査側の準備のことを指します。
予め対象となる業務プロセスが明確になっているのであれば、関連文書の準備は入念にしておきましょう。
看板を掲げているお店に行く際には、ドレスコード考えますよね?
フランス料理やイタリア料理店、中華料理店、和食店、近場の喫茶店、コンビニ、、、多少は服装や持ち物も考えるじゃないですか(笑)
それと同じです。(ほんとか?)
何はともあれ、この作業をきっかけにして、自らの“業務プロセス”を振り返るきっかけにします。
実は、普段の仕事は“作業”に注目されてしまいがちで、“業務プロセス”を考える機会はそう多くはないと思いますので、内部監査をチャンスととらえて前向きに取り組みましょう!
Step-4 監査の実施~密度を最大限に高める~
さて、いよいよ監査です。
とはいえ、最初の計画準備段階でやることはほぼほぼ決まっています。
あとは、枠に当てはめて結果を作り上げていく作業になります。
その際に、このステップでは大きく2つのポイントについて見ていきましょう。
ポイント①:監査結果(結論)
まずはこれですよね。ここには、最低限以下の3つを盛り込みましょう
<監査結論>
・good point
・軽度の指摘(要観察事項)
・重度の指摘(是正事項)
さて、結論として軽度/重度の分け方はかなりグレーゾーンですよね?ありがちなのは、明確に不適合にしたくない仲間意識から、すべてを軽度の指摘にしてしまうということです。
それでは内部監査の意味がありません。私はこの現象を【おままごと監査】と呼んでいます。
判断基準を持ちましょう。それはズバリ「問題になっているか」です。
社内でトラブルになっていたり、顧客クレームになっていたりした場合には、明確に重度の指摘としましょう。
ここで、監査の目的に立ち返ります。指摘されないことが目的なのではなく、品質や顧客満足を向上させるための業務プロセスの改善が目的でしたよね?
お忘れなく!
ポイント②:書き方
監査内容のに関する記述は、後から見てもスッと理解できる内容でなければいけません。
<記述内容>
・計画面(そもそもISO9001や品質マニュアルではどうすることになっているか)
・運用面(やるべきことに対して実際はどうやっているか)
・証拠(ヒヤリングや観察された事柄がなんだったか)
このフレームは今回の記事の中では最も重要な部分かも知れません。この内容があいまいな場合、監査の質が低いと言わざるを得ないと考えています。もっというと、監査員のレベルが低いということにもなります。
ぜひ、報告書のフォーマットに取り入れてみてください。
最後に、指摘があった場合には、その対策を立案するまでの期限を決めましょう。
時間的な具体的な目標は、ものごとを確実に進めるためには必須です!
Step-5 是正処置・観察事項報告~反省をしっかりと~
さて、監査が終わったら、指摘事項に対する対策を立案します。
これは、被監査部門である業務を実行する部署にて対策を立案しましょう。
食事に行ったとして、次の日とかに
「あの店良かったよね」
「次はあれ頼んでみたいな」
「もうちょっと早い時間に行こうか」
なんて反省しますよね?(笑)
ありがちな良くない例は、監査の場でみんなで対策を考えてしまうことです。
「これだと不適合に近いですねぇ」
「じゃあどうする?」
「いったんはこうしましょうか」
なんて会話を監査の場で始めてしまう。
これは非効率ですし、実際に監査に参画していない現場のメンバーの声を無視することにもなりますし、その場しのぎの対策になってしまいます。
自らの業務プロセスを客観的に指摘してもらい、その客観的な指摘を素直に受け止め、根本的な業務プロセスを改善する対策を考えるのは、実行部隊の仕事です。
全てを事務局に押し付けない、自分のプロセス改善は自分で行う、そんな意識を醸成していきましょう!
Step-6 フォローアップ~やりっぱなしにしない~
さいごに、立案した対策が確実に実行されているか、必ずフォローアップしましょう。
対策だけを提出してそれで終わりにしていては、せっかくの監査、延いては自らの業務プロセスを改善する機会を不意にしてしまいますし、PDCAサイクルを止めてしまいます。
お店からダイレクトメールが来たら、
「あぁ、気にしてくれてるのね」
なんてなるじゃないですか(笑)
実行部門が自主的に立案した対策を、その予定通りにやっているのかどうかを確認したり、新たな課題があればそれに気づきを与えたりすることも大きな意味で内部監査の役割と考えます。
言ってみれば、内部監査の最後の仕上げ。
最後の仕上げの質が悪いばっかりに、内部監査そのものの質を台無しにしないでください!
おわりに~内部監査を有効に!~
一般的で抽象的な言い方をすれば、【ISO9001の有効運用】という言い方になるのかとは思いますが、そのカギは内部監査の質にかかっていると言っても過言ではありません。
言うなれば【自浄作用】ですね。
問題を発見し、対策(仮説)を立案し、実行し、検証する。
こういったものが機能している組織は、継続的にどんどん改善を積み重ねていけるんです。
ぜひ試してみてください!
備考~宣伝~
今回の内容に関しては、お客さま個別の事情や業態などを踏まえなければなりません。
私は、内部監査の立ち合いやその結果を基にした改善アドバイスも行っています。
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