成功者の告白
5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語(ストーリー)
著:神田 昌典
を読了しました。この本は、起業してから起業家に訪れるさまざまなことがストーリー仕立てで解りやすく書かれております。
私なりに感じたことをまとめて紹介します。
起業してからの大きな「見えざる手」による流れが分かる
起業してからの大きな流れはいくつかのパターンがあり、そのパターンは多くないようです。主人公の起業家が起業してから訪れる売り上げ確保へのハードルから、成長期を迎えるにあたって訪れる壁などが非常にわかりやすく書かれています。
本当にみんながみんなこのパターンなのか?と思わなくはないですが、読み進めるうちに、個別の細かい事情の部分は違えど、全体の流れは大きく外れていないんだろうな、と思うようになりました。
数多くの「失敗事例」を見てきているからこそ、埋められている”地雷”にどんなパターンがあるのかを予測できるのかなと思います。
成長カーブとその時のカベやその乗り越え方が分かる
起業してから、成長期、成熟期、衰退期の企業のカーブや、起業時の悩みあるいは成長初期にぶつかる壁が詳細に描写されています。起業時のお客様を獲得するマーケティングの考え方や、特に、成長初期の段階では母親役必要になるにもかかわらず、反対の父親役を強化してしまう失敗例であったり、企業や家庭のバランスを取ろうとして問題社員が出て来たり、子どもが病気になったり、女性が近づいてきたり。
起業して売上確保が継続的にできるようになることがゴールではなく、むしろそれは序章であるという位置づけで描かれています。
成長初期のカベを超える具体的手法が分かる
この本の中では、とりわけ成長期の初期段階でぶつかる壁が厚く書かれているような気がしました。それを克服していくための具体的手法として「グッド&ニュー」のやり方や「クレド」など、多くの起業家が乗り越えられない壁を超える手法も紹介されています。それによって、社員のコミュニケーションを促したり、職場を活性化させる、心理学の要素も取り入れてはいるが手軽で簡単な方法が紹介されています。
もう少し厚くても良い
「本当は5冊くらいになるところを1冊でストーリーでまとめた」とあとがきの部分に著者からの言葉が書かれていましたが、私も直感的にそんな感じがしました。大きな流れ全体を網羅する1冊目としては良いのかもしれませんが、2回目に読むときはもう少し深く、厚く書かれてるものが欲しいなと個人的には思いました。
プロローグ部分にも書かれている通り、1度目はストーリーを追うように読み、2度目は自らに置き換えながら読んでみると良いでしょう。
翻って、私。
この本が言いたいことは、起業して経営する人は必ずみな同じような壁にぶつかり、そこを超えられる人、超えられずにぐるぐる同じことを繰り返してしまう人がいる、ということです。
埋められている”地雷”は避けられるようなものではなく、起業家がその先どんな困難が訪れるかを知っているかどうか、そして、その困難の乗り越え方を指定いるかどうかが重要なのかなと思いました。
自らの経営に当てはめたとき、子どもが病気になったりした場合には、偶然ということで片づけることなく、何らかのバランスを取ろうとしているサインなんだと気が付くことが大切です。
過去に私に起きた転職する直前の出来事を思い出しました。
私はこれまでの仕事に対して心が離れ、次の会社も決まり、次の仕事への期待と不安ばかりを考えていて、送別の飲み会にはかなりのペースで参加し、育児も引っ越し作業もほとんどやらず、妻に任せっきりでした。そんなとき、二男がインフルエンザにかかり高熱を発症したのをきっかけに、長女も翌日には感染し、私もその日には感染しました。二人の子どもは高熱がひどく、熱けいれんを起こし、慌てて病院に駆け込み、入院する事態になってしまったのです。子どもは、家庭のバランスを取ろうとしてインフルエンザに罹ったのでしょう。一番大変だった妻は罹らなかったですし、幼稚園を転園する負担を与えてしまった長男も罹りませんでした。
このときは、非常に運が悪いと考えてしまっていたのですが、大きな流れの中ではそうではなく、サインであったと知っていたら、その後の行動が変わっていたと思います。
お客様やパートナー様とお付き合いしていく中で、その偶然を偶然と思わずに、サインに対して敏感に生きようと思わせてくれる1冊でした。
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